みその雑記帳

乙女ゲームとか

【ピオフィオーレの晩鐘-Episodio1926-】テオについてお話しさせてください

こちらの感想は、

ピオフィオーレの晩鐘-Episodio1926-のすべてのルートのネタバレを含むものとしてお読みください。


そしてテオリリガチ勢となってしまった私の心の嘆きがぶつけられていますので、文章が非常に読みづらくなっております。

また、テオリリが苦手な方は回れ右をお願いします。

では始めます。

 

 

 

テオについてお話しさせてください

 

 

 

いきなり性癖の話をして大変申し訳ないのですが、私ね、生まれたその時から本人にはなんの罪もないのに不幸の星の元に生まれた人間が大好物なんですよ。
だからね、基本的にピオフィオーレの晩鐘に出てくる男たちは大好物なんですよ。なんだけどね、なんだけど、

こんなに不幸な子、他にいる?????

物心つく頃には親はおらず、施設でまともな生活はさせて貰えず、髪と瞳の色が似ているからという理由でアドルナート夫妻に引き取られ、一時の幸せを知る.........

そしてその幸せを知ってしまったからこそ、崖から転がり落ちるような感覚だったんだろうね。でもね、私は思うんだよ、その崖ってそんなに高くないんじゃない?って。

 

リリィが産まれなければ、さらにリリィが鍵の乙女で両親の手から離れなければ100%テオは里親に出されなかったわけだから、アンリの言う通りテオの憎しみは、嫉妬だし逆恨みでしかないよ。でもさ、そうして育ててくれたアドルナート夫妻もずっとテオを通してリリィを見ていて、2人に嫌われないように幼いながら気を使っていただろうね。

施設での不幸やその先訪れる不幸に比べたら霞むくらいの悲しみだとは思うけど、本来それは悲しむべきことなんだよ。霞んでしまったからこそ、アドルナート夫妻に受けた愛も本物と信じられただろうし、そう思わなきゃ耐えられなかったんだと思う。一時でも自分は幸せだったと思わないと、もうとっくに壊れかけていたんだとは思うけど、心がもたなかったんだと思うのよ。悲しすぎる幸せを、本物の幸せと錯覚し

いやそれこそ本当の幸せを知らないからそれを幸せと本気で思っていたとしたら本当に悲しい、悲しすぎるよ.........


実際、アドルナート夫妻はテオのこと愛していたのだと思うよ。同時にリリィも愛していて、テオに妹のことを知っていて欲しかったんだと思うのよ。いつか会えた時妹を大切にして欲しいと願う気持ちもわかるのよ。でもね、子どもに悟られちゃダメなのよ。自分を通して妹を見ているなんて思わせちゃダメ。子どもを引き取ったなら、失った子どもの影をその子に重ねちゃダメ。辛いのはわかる。でもそうやって見られていた子どもはもっとつらいのよ。

だから私は言うよ。テオにとってそれが幸福だったとしても、崖から転がり落ちるほどの高さじゃないって。この時点では、少し下り坂を転んだくらいだよ。だってそこまで幸福だったと思えないから。

 

本当の鬼は教国だと思うのよね。
どういう気持ちで教国に連れてきたん??
鍵の乙女の両親の家にいた子どもってわかってて連れてきたのよね????
わかってて使徒にしようとしたってことでしょ????
そしてわかってて、鍵の乙女と伝承について話したんでしょ???

 

彼にとっては教国に生かされたのも不幸だし、使徒の訓練も不幸、結局辛い思いだけして使徒になれなかったのも不幸。使徒になっても不幸だし、使徒になれず死んでも不幸。いやまじ、ここで

オルロックとヨハンを巻き込んで使徒というものを掘り下げたのも全部このためだったのでは...??(言い過ぎ)

と思わせるほどの絶望。嘘だろ...そんなことってある......??そして"使徒"というものを知っている人間がダンテ√ではテオ以外出てこないというのがまた......オルロック、死んでるので🤦‍♀️

でも使徒の訓練と試練、オルロック√を通してそれを知ってしまったプレイヤーからしたら、テオの絶望が手に取るようにわかるのよ。

聖職者でありながら敬虔な信徒ではなかったテオにとって教国で生きるってどんな気持ちだったんだろ......鍵の乙女について知らずに生きていけた世界線があったとしても、多分本人が望んだわけじゃないからテオは幸せになれないのよな............

 

テオの復讐の対象が何故リリィになってしまったのかめちゃ考えたんだけど、理屈じゃないんよなぁ。テオにとって家族って良くも悪くも特別だったんだと思うのよ。いつか会えたらいいなと思っていた、時分に一時の幸せを与えてくれたアドルナート夫妻が愛していたリリィが生きていて、居場所がわかって、鍵の乙女という特別な存在で.........そのせいで両親は死んだ。

うん、単純にそういう思考だと思うのよ。生きているとわかった妹が、たった1人の残された家族がいて、でもその家族に家族が殺されたんだって思ったんだよ。本当に理屈じゃないのよ。ファルツォーネや聖遺物に向かなかったのって、家族(=妹)という存在に固執していたからこそだと思うのよ。


うん、逆恨みでもしないと耐えられないよ.........自分のことを全く知らない妹が、幸せそうに生きていたら恨みたくなっちゃうよね......リリィが悪い訳では無いことは頭ではわかっていても、割り切れるわけないよね.........本人の意思とは関係なく"たった1人のかわいい妹が自分の幸せを奪った"ってことは彼の中では事実なんだからさぁ............
ダンテが言ってたとおり、よりつらい人しか嘆いてはいけないわけではない、その人の中にある悲しみは本物なんだって言葉なんだけど、それは確かに正しいのよ。正しいけど、だから恨んじゃダメなの?ってなるじゃん。いや、わかってる。間違ってるよね。間違ってるけど、

じゃあ誰が彼の絶望を受け入れてくれるの?????

結局さ、彼の最大の不幸は、テオの中にある悲しみや絶望を心の底から受け止めてくれる人に出会えなかったことだと思うのよ.........

テオにとって妹の存在って愛すべき人であることは変わらないから、彼女が不幸だったら許そう、それって多分リリィが不幸だったら兄妹として共に生きる未来があったかもしれないんだよね......自分の不幸を受け止めてくれるのは、不幸である妹だけだって思ってたんだよね.........でもきっとね、幸福の中にいる妹も全力で兄の絶望を受け入れたと思うのよ.........だからこそすれ違ってしまったのがつらい............

この2人、血の繋がりがあるからこそすれ違ったファルツォーネ組と真反対で、血の繋がりもなければお互いのこと何も知らないのですれ違うしか道はなかった...とでも......いうのか.........

 

テオが自死を選んだのもめちゃくちゃテオっていう人間性がみえて.........敬虔な信徒ではなかったから、いっそ自分が死ぬことで、妹が一生自分のことで苦しむなら、忘れないでいてくれるなら......自分という存在を求めてくれた両親はいないし、教国だって信用していない彼にとって、もう縋る相手はリリィだけだったんだな.........その感情が憎悪になってしまったのは悲しいけど.........「忘れないで」と最期に願った言葉は誰の耳にも届いてないけど、確かにリリィは忘れないと思うのよ。でもさ、本当の意味では届いてないと思うのよ。結局、彼は家族に愛されたかっただけだと思うし、妹を想っていた気持ちだって嘘じゃないと思う。テオの語る妹をは、写真の中にいる赤ん坊のリリィであって目の前にいるリリィではなかったのかもしれないけど、確かに彼はリリィを愛していたと思うの。だから、彼を忘れないならどうか彼を兄として愛してあげて欲しいと私は願ってしまう............


なのに......なのに...アドルナート家の写真を手にリリィはダンテの手をとって新しい家族を得るんですね.........もう絶望しかなかったのだが......いやダンリリは幸せになるべきなんだけどもう少し(私の)心の整理ができてからにして欲しかった.........

 

あとシナリオとして上手いなって思ったのは、ダンテ√では、テオという兄の存在をチラつかせながら、ニコラを「お兄ちゃん」と呼ばせる今思えば鬼畜すぎる選択肢を作るピオフィスタッフ.........悪魔か???
ずっと彼はリリィを「かわいい妹」って言い続けていたのに、リリィは一度もお兄ちゃんと呼ばなかったぞ......鬼か.........??ダンテ√においてはニコラという兄ができてしまったことで、そこにテオが入る隙がないから、この世界線でテオは「兄」にはなれないのよ......
でもニコラ√は??リリィの「兄」という枠は空いているのよ...そしてリリィにも「兄」として意識されて......だからこそリリィの「兄」としての役割をさ......果たせてしまったのよ.........情が移ったテオめちゃくちゃ良かったよな......あのテオを見てしまったら、やっぱり妹のことを愛していた気持ちは本物だったんだなってわかるよ........."嫌い"がひとり歩きして大きくなってしまっただけで愛している気持ちはなくなってなかったのよ......


あとさ、もう1つダンテ√とニコラ√の違いがあると思ってて、それこそ"運命"のお話なんですよ。
ダンテ√は伝承通りの2人が結ばれているので、テオから見たら"伝承通りの運命のふたりが結ばれている"っていう幸せの絵図なんだよね......一方ニコラをでは間違った形で教えられてはいたけど、"伝承通りではない間違ったふたりが間違って結ばれて鍵として使い物にならなくなった不幸な妹"になっていたわけですよ......
だから、兄として不幸な妹を守りたいと思えたのではないのかな......他のルートのテオに慈悲がないので何故ここでだけ?って思うんですが、そういう所にあるんじゃないかなって......

 

てかダンテ√で救われたのって誰......??誰もいなくない......???テオは死に、アンリも死に、ただいたずらに私の心を抉っただけでは......???

 

でもまあ、まあこれだけは言える


ダンリリは幸せになれ